米国人ビジネスパートナーの心を掴む方法
カテゴリ:海外ビジネスのヒント 海外情報
外国人、特に米国人の心を掴むために最も大切なことはなんでしょうか?
なぜこのような事を聞くかと申しますと、
先週は3日間みっちりアメリカ人と仕事をする機会があったからなのです。
当社としては珍しく
ある米系大企業の日本でのプロジェクトをご支援するお仕事で
いわゆるインバウンドビジネスです。
そのプロジェクトを実践していくなかで、
私と日本人の同僚が見事に(?)米国人パートナーの心を掴んで
将来のビジネス拡大の糸口を見つけましたので、
本日はそのエッセンスをお伝えしたいと思います。
ビジネススクールのケーススタディではなく、
ライブで実際に体験したことですので
参考になる事も多いと思います。
米国人と言っても当然様々な人がいますので
定型的に取り扱うのは難しい部分もありますが、
本日お伝えする内容は、
ほぼどんな米国人にも通用するはずですので
是非試してみてください。
因みにお仕事の内容は、
会議室でずっと議論するというものではなく
研修やイベントをお手伝いするという動きを伴う流動性の高いものでした。
これまで米国人(2人)とは1回しか会ったことはなく、
ほとんど初対面という状態でした。
私たち日本人2人は、
大きく分けて3つの視点に注意しながら
米国サイドのクライアントと仕事を進めました。
1)柔軟性を持ちながらの人間関係の構築
2)プロフェッショナルとしてのパフォーマンス(実行)
3)顧客視点にたった戦略的なアドバイス・提案
1)柔軟性を持ちながらの人間関係の構築は、
米国人に限らずどんな国の人との仕事でも大変有効なことです。
米国人の場合は、
オープンでフレンドリーな関係性や会話を求めてくることが多いので
彼らのやり方にある程度合わせていく必要があります。
正直日本人の基準では、
非常識な行動や「えっ!」と思う提案があることもありましたが、
そういった時もすぐ感情的に反応するのではなく
まず彼らの要求を受けとめて
内容を確認しながら仕事を進めるとうまくいきます。
例えば時間の管理に関しては、
日本人ほどかっちりしていないことが多いので
相手が遅刻してきてもキリキリしてはいけません。
今回も、1時間前に集合して打合せをしましょう
との提案が彼らからあったにも関わらず
先方が45分遅刻してきて
ほとんど打合せが出来なかったという事態も発生しました。
遅刻を批判するより、
時間がないけどクイックに何かできることはないか
と考えるほうが建設的です。
ここが柔軟性です。
また、食事を共にすることは
人間関係の構築には効果的ですので、
なるべく一緒に食事をすることをお薦めします。
その際、相手の食べたいものをきちんと確認してお店を選びましょう。
例えば日本に来たからには
寿司を食べて帰って欲しい、とのおもてなし心も大切ですが、
アメリカ人は日本人ほどグルメであることは希ですので
生さかなを食べることができないという人も今だに多いです。
そのような配慮をしないと
お寿司を食べにいっても一人だけ天ぷらを食べてもらう
というような事になりかねません。
2)プロフェッショナルとしてのパーフォマンスに関しても
米国人に限りませんが、大切な視点です。
米国社会は厳しい競争社会ですので、
ビジネスのパーフォーマンス(成果、実行)に
シビアな目を持っていることを常に意識する必要があります。
ただ単に仲良くなればいい、というわけではないのです。
よって相手が求めるゴールや好ましいプロセス、
フィードバック(報告)の仕方などを確認しながら
ベストの成果を上げることに集中することによって
信頼を得る必要があります。
日本人はゴールが曖昧なまま仕事を開始する、会議を開く
ということをやりがちですが、
このあたりをクリアにしておかないと
ちぐはぐになり、折角がんばったのに相手から評価されないという
悲しいことになるリスクがあります。
今回の仕事でも、
私は1日単位で常に相手の求めているゴールを
確認しながら的確な報告をいれることを心掛けました。
また研修の実行に際しても
その場ですぐ米国人からフィードバックをうけ
午後には改善するというような反応の早さを心掛けました。
仕事が早いことは米国人は特に評価してくれます。
3)顧客視点にたった戦略なアドバイス・提案に関しては
以前もお伝えしたことがありますが、
日本人ならではの視点で戦略的なアドバイスや提案を
クライアントやパートナーに行うということです。
今回のケースでは
休み時間にアメリカ人のパートナーと会話をしていた時に、
日本経済の現状(人口減少、高齢化など)に関し
あまり理解していないことが分かりました。
私は日本経済の現状を簡単に説明し、
彼らが今後別の日本企業に接する時には注意したほうがよい点を
アドバイスしたところ大変喜ばれました。
日本企業と仕事をするのに
日本の現状を知らないのはアメリカ側の勉強不足であると
文句を言うこともできますが、
アメリカ人は日本のことなど気にしていないことが普通であり、
彼らの視点にたって議論することが大切です。
「顧客視点に立つ」というのは
当たり前のように聞こえるでしょうが、
米国人はあまり得意でない印象があります。
我が強い国民性が影響しているのでしょうか。
よって彼らの視点に立って、
効果的な提案ができれば評価が高まります。
以上のような3つの視点を常に意識すれば、
米国人とのビジネスはうまくいく可能性が高まります。
是非参考にしてみてください。
P.S.
番外編として一点申し添えますと、
日本の習慣を丁寧に教えてあげることも重要です。
アメリカ人の声は平均的日本人に比べ大きいです。
彼らはレストランや会議室で大声で話す、笑うことをよくやりますが、
これは多くの周りの日本人が眉をひそめますので
それをこっそり教えてあげるのもいいと思います。
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