アメリカ人ビジネスマンを唸らせる方法
カテゴリ:海外ビジネスのヒント
質問です。
アメリカ人と仕事をする際に重要な事は何でしょうか?
戦略的思考法でしょうか?
英語のレベルでしょうか?
ユーモアのセンスでしょうか?
私は最も大切なことは、やはりコミュニケーション力と考えます。
更に言うと、
そのコミュニケーションにおいて「自己主張」をすることです。
この「自己主張」は、日本人がとても苦手な領域です。
なぜなら日本社会は、基本的に全体として村社会で
自己主張する人間は嫌われることが多いからです。
空気を読まないと生きていけない社会では、
自己主張は往々にして邪魔になります。
巷のビジネス書には
「自分の考えを述べないと出世しない」などと書かれておりますが
これはあくまで理想論で
私が普段接する企業、特に大企業では
まだまだ空気を読む力のほうが大切であるとよく感じます。
先日もこの事を感じた出来事がありました。
あるプロジェクトで、
アメリカ企業と企業研修関係の仕事をする機会がありました。
アメリカでも大手企業で、いわゆるグローバル企業です。
急遽立ち上がったプロジェクトで
日本人側は3名で取り組み、アメリカ側の関係者は6名ほどおりました。
アメリカ人は自己主張が強い国民ですが、
一方的に決めることはせず、相手の意見もよく求めてきます。
「What do you think ?」と。
アメリカ人パートナーとの度重なる打合せの際、
私たち日本人サイドも頻繁に意見を求められました。
こういった場面で自分の考えを述べることができないと致命傷になります。
アメリカに限らず国際会議では意見を述べない人は
「存在していない」とみなされます。
流暢な英語で話す必要はありません。
英語文法が多少間違っていても、
自分の考えをしっかりと述べることが最も重要です。
ロジカルに話ができると尚良しです。
日本人サイドのチームメンバーの一人は大変優秀なのですが、
この自己主張があまり得意ではないタイプの方で
残念ながらアメリカ人サイドからは「Engagement」が
少し不足していると見られてしまったようです。
ここでいう「Engagement」とは
「噛み合い」とか「入れ込み方」という意味合いです。
おそらくその方は遠慮していたと思うのですが、
遠慮することはアメリカ人にはマイナスの印象を与えがちなので要注意です。
「意見を述べる」という意味での自己主張がある程度できるようになったら、
次の目指すべきレベルとしては、
アメリカ人に対して積極的に提案をすることです。
ここは日本人である我々にとって、力を発揮するチャンスです。
ポイントは、提案する際に
「日本の企業文化の特長」など
アメリカ人があまりなじみのない視点を絡め、
尚且つ論理的にプロジェクト全体にメリットがある提案をする事です。
例えば、
「日本企業は一般に年功をとても重要視し、
年上の方と若い社員とのバランスをよく考えて研修を実施しないと
運営がうまく行かないリスクがあるので、
チーム編成では各年齢層をミックスさせた方が良い」
というような提案です。
これができると、
アメリカ人は「うーん、なるほど」という反応を示します。
日本の企業文化に関しては
当然我々日本人のほうが詳しく、
アメリカ人はほとんど判断ができないので
こちら側の提案が通りやすくなります。
このように、
アメリカ人とコミュニケーションをとる際に大切なことは、
まず「自己主張」
そして「日本人としての強みを活かした前向きな提案」
をすることがポイントです。
将来、アメリカ人と仕事をする際に、是非思い出してください。
*
ちなみに英語では
グローバル企業(global corporation)という言い方はあまりせず
Multinational Corporation (MNC)と訳されることが多いです。
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