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高齢者むけマーケティングのポイントとは|海外マーケット開拓カンパニー山本利彦の【勝ち組コラム】

初めての方へ 海外進出の基本ステップ

社長コラム

高齢者むけマーケティングのポイントとは

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東京では暑い日が続いておりますが、
皆様がお住まいの地域ではいかがでしょうか。

 

さて本日は海外ビジネスには直接は関係ないのですが、
今後海外の先進国でも増えてくる「高齢者」向けのマーケティングのお話を
お伝えしたいと思います。

 

 

 

日本は世界でも「高齢化先進国」ですが、日本ほどではないにせよ、
例えばドイツなど欧州、オーストラリアなどでも高齢化が急速に進んでおり
社会保障費の増大に政府は苦しんでおります。

 

 

 

オーストラリアも既に、
日本と同じく年金の支給年齢を遅らせるなどの策を施しています。

 

 

 

つまり海外市場においても、
今後は高齢者をターゲットとした商品やサービスが
注目される可能性は高いのです。

 

 

 

ちょうどそんな時、「下流社会」という著書を11年前に上梓しヒットさせた
アナリストである三浦展氏の講演会に先日出席してきましたので
本日はその講演の内容についてお伝えします。

 

 

 

三浦氏は一橋大学を卒業後、パルコに入社、
その後三菱総研を経てマーケティング会社を設立、
家族、若者、消費、都市などの研究をされているビジネスマンです。
(因みに1958年生まれです)

 

 

 

海外はもちろん日本でも、
当然今後は更に高齢者向けのマーケティングの重要度は増してくるので
大変参考になると思います。

 

 

 

三浦氏は最近「下流老人と幸福老人」(新書、光文社刊)を出版され
その著書の内容をベースにした講演でした。

 

 

 

大変興味深いデータばかりですので、是非楽しんでお読み下さい。
元になったデータは、三菱総研が2015年に行った
団塊の世代3万人対象の大規模な調査です。

 

 

 

1)資産と幸福度の関係

 

調査結果は、
2千万円以上など「資産を多く持つお金持ちの高齢者」の方が、
資産200万円ぐらいの「豊かではない高齢者」より幸福度が高いことを示していました。

 

 

 

これはなんとなく納得感がありますね。
老後に資産がないと不安ですからね。

 

 

 

ではお金がない人はみんな不幸せなのか、
というとそうでもないのです。

 

 

 

200万円未満の資産しかない高齢者でも
53%は幸せであると答えています。

 

 

 

つまり「お金があれば老後は幸せである」とは限らないということです。

 

 

 

2)「資産が少ない人」の将来への不安と「資産がある人」の将来への不安

 

資産がない方のほうが、資産がある方に比べ
将来への不安が高いことが示されました。

 

 

 

これもなんとなくわかりますね。
お金は「ある」に超したことはないですから。

 

 

 

だだし、「将来の生活への不安」に関しての質問には
資産の多寡にかかわらず(お金以外は)同じような不安項目が上がっているのです。

 

 

 

それは、

 

病気になる          74 %

 

行きたい所に移動できなくなる 41%

 

生活資金の不足        39%

 

地震など天災         35%

 

配偶者の介護         34%

 

配偶者との死別        31%

 

 

 

よく言われる事ですが、やはり「健康」が最も大切ということです。

 

 

 

3)男性の悩みと女性の悩みの違い

 

男女別の調査もしています。
団塊の世代の悩みは男女で違いはあるのでしょうか?

 

 

 

当然あります。

 

 

 

男性の悩みと女性の悩みの差異が多いのは、
(男性のほうがより悩んでいるということ)

 

 

 

「体力が落ちた」という悩みが男女とも最大なのですが、
男性の方がその悩み度が女性よりかなり大きいのです。

 

 

 

女性のほうが寿命が長いからでしょうか?

 

 

 

他には、

 

●資産の現状

 

●息子、娘がまだ結婚しない

 

●家が古いがリフォームできない

 

●体調に不安がある

 

などを上げています。

 

 

 

女性が男性より悩み度が高い項目は、

 

●認知症への不安

 

●家事をやってくれる人がいない

 

●消費税の増税 

 

などを上げています。

 

 

 

男女合わせたデータでは、以下のようになっています。

 

体力が落ちた        45%

 

認知症への不安       27%

 

医療費           23%

 

消費税の増税        20%

 

息子、娘がまだ結婚しない  18%

 

 

 

高齢者の両親をお待ちで独身の方、
早めに結婚してご両親を安心させてあげてください(苦笑)。

 

 

 

4)人生での失敗

 

幸せな人と不幸せな人の失敗に関して質問しています。

 

 

 

ここでもやはり資産が少ない方は、
もっとお金を貯めるべきであったと後悔しています。

 

 

 

ただし幸せな人も不幸せな人も、人生での失敗では
一番には「もっとお金があれば良かった」と上げています。

 

 

 

何度も言いますが、お金が全てではないです。
が、やはりお金は大事なんですねー。

 

 

 

そして幸せな人と不幸せな人の
失敗に関する「大きな違い」が現れたポイントが大変面白いのです。

 

 

 

圧倒的な差異が出ているのは何だと思いますか?

 

 

 

それは「夫婦関係」です。

 

 

 

つまり不幸せな人ほど、
結婚生活がうまく行かなかった・失敗したと
感じています。

 

 

 

夫婦関係に関しては、
不幸せな人と幸せな人との差異が
なんと7倍くらいあります。

 

 

 

結婚生活がうまくいかないと、
将来不幸せになる可能性が非常に高いとも言えますので
やはり仲良くしましょう!

 

 

 

5)なにが幸福感をもたらすのか

 

「どんなときに幸せを感じるか」との調査も実施しています。
この結果もおもしろいです。

 

 

 

幸福を感じるのは(男女共通)

 

好きなことをしている時     60%

 

健康だと感じる時        46%

 

家族と楽しい話をしている時   43%

 

孫の顔をみた時         41%

 

家族が健康な時         35%

 

という結果です。

 

 

 

「健康」で「好きなことをする」
というのが幸せになる条件とも言えます。

 

 

 

孫がいればもっとハッピーという感じでしょうか。

 

 

 

一人暮らしの高齢者にも、同じ質問をしており
この結果が大変興味深いのでご紹介します。

 

 

 

一人暮らし男性を幸せにするにはどうしたらよいでしょうか?

 

 

 

答えは「ガールフレンド」です。

 

 

 

異性の友達(彼女、ガールフレンド)がいるだけで、
男の幸福度は大きく跳ね上がります。約2倍になるようです。

 

 

 

男の私には納得感あります。

 

 

 

それに対し、
一人暮らしの女性は、ボーイフレンドがいるかどうかでの
幸福度には差異がないのです。

 

 

 

男性はロマンチストが多いということでしょうか。

 

 

 

さて「資産があまりなくても幸せである」と答えた人の特徴に、
「利他の精神」があります。

 

 

 

つまり自分の幸せよりも、
家族などみんなの幸せを考える人ほど
幸福度が高いという結果がでているのです。

 

 

 

日本では、儒教などの影響で
「利他の精神」の尊さがよく議論されますが、
この結果は「利他の精神」が一般人の幸福度にも影響していることを裏付けました。

 

 

 

(編集後記)

 

男性未婚者は「資産が多くても幸せになりにくい」のに対し、
女性未婚者は離別、死別しても
「資産が2千万円以上あれば幸せ」と答える人が多かったそうです。

 

 

 

女性はさすが現金です。

 

 

 

ペットとは同じ墓に入りたいが、
旦那とは同じ墓に入りたくないと答えた女性もいたそうです。
これには聴衆は爆笑でした。

 

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