中国人の爆買いはいつまで続くのか?
カテゴリ:海外ビジネスのヒント
どんな国、どんな業種であろうと
海外ビジネスを成功させるためには
異文化マネジメントや異文化コミュニケーションのスキルは必須です。
これは日本の企業が最も失敗しやすい分野でもあります。
よくあるケースは日本企業が日本風にビジネスを全て進めてしまい
現地パートナーなど、
相手もこちらもストレスがたまり瓦解するパターンです。
WIN-WINではなくLOSE-LOSEのパターンです。
これらのスキルは、
ある程度までは本で十分学べますので
関連本を読むことをお薦めします。
最近の本であれば
ややアカデミックではありますが、豊富なデータをもとに執筆された
「異文化理解力」エリン・メイヤー著 英治出版
がお薦めです。
この本の原題は
「BREAKING THROUGH THE INVISIBLE BOUNDARIES OF GLOBAL BUSINESS」
日本語でいえば「グローバルビジネスの見えない境界線を越えて」
といった意味です。
まさに文化の違いは目に見えないので
注意が必要なのです。
目に見える違いはわかりやすいですが
目に見えない違いは誤解を生みやすいですから。
また、テクニック的なスキルを学ぶことも大切ですが、
もっと大切なことは相手の歴史・文化を学び背景を知ることです。
例えば、中国では紀元前に黄河文明が起こりましたが、
この当時からそれぞれの部族の祖先が崇拝され
閉鎖的な同族色の大変強い文明になったのです。
この閉鎖的、同族的な文明は、東アジア全体に影響を与えたわけです。
そしてこの閉鎖的な自己完結型の環境の中で
生まれてきた世界観が「中華思想」です。
「中華思想」は自らが世界の中心(中華)であるとの考え方ですね。
日本人からすると危険思想に思えるかもしれませんが、
この思想は何千年も中国人の心のなかに連綿と続いています。
こういった歴史を押さえておかないと、何かともめ事になります。
我々日本人も邪馬台国の頃には
この中華思想にのっかりたいと
切に願っていたこともあったのですから
あまり批判できるものではありません。
そんななか中国人の「爆買い」に関する本を読んだのですが、
中国人のマナーの悪さを解説する章は
大変ユニークな解説がされていましたのでご紹介します。
私は家庭での教育(しつけ)の悪さが一番の原因と思っておりますが、
著者によれば中国人のマナーの悪さはインフラの弱さが原因とのことです。
つまり世界第二の経済大国でありながら
社会インフラが整っていないので、
人々は自衛のためにバラバラに行動し
結果的にマナーが悪くなったとの見方です。
具体的にはトイレの水が出ないから手を洗わない
トイレの鍵が壊れていて鍵がかからないから鍵をかけないでトイレに入る
街にゴミ箱がないから道ばたにゴミを捨てる。
などの事例が挙げられ、
中国人は長年このような社会インフラが乏しい生活を
強いられてきたのでマナーが悪くなったというものです。
ロジックにやや無理もありますが、
そういった背景もあるということを知れば
私たち日本人の中国人への接し方も意識が変わってくるのではないでしょうか。
因みに表題の爆買い後については、著者は
中国人の中でも海外旅行が出来る層はこれまで限られてきたが、
中国人全体が(そのペースは落ちるとはいえ)豊かになるにしたがい
旅行者の数は増加を続け、中国人の爆買いは中国経済が低迷を続けても
続くとみておりました。
また、今後はパックツアーより個人旅行に変わってくるだろうと見ていました。
富裕層は既に高野山の宿坊に宿泊し
毎日写経や瞑想をして精神的な安らぎを日本で得る
というような楽しみ方もしているようです。
中国人観光客が
日本の田舎であればどこにでもあるような田んぼのあぜ道が
まっすぐで感動したとのエピソードもあり
(中国ではまっすぐなあぜ道はないらしい)
こんな単純なストーリーからも改めて
「日本の価値に気付きそれを高めること」が
インバウンドだけでなくアウトバウンドでも大切であると認識致しました。
参考図書
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