世界でビジネスを行う日本人に足らないものは？
カテゴリ：海外進出のお役立ちヒント
先日あるセミナーに出席しました。
海外経験（英、米）が豊富な日本人と、日本在住歴が長いフランス人が講師でした。
両者とも日本の現状、
日本人ビジネスマンの国際化には、かなり手厳しい意見を述べておりました。
全体として英、米、仏に偏った議論でしたが、
気になった主なポイントは以下の通りです。
・男性と女性を比較すると日本人男性は特にだめ、特に国際マナーを知らない。
・日本人女性は今世界で最も人気がある（それに対し日本人男性は人気がない）
キュートで聡明であるから。
・日本人男性は握手の仕方がおかしい。
しっかり力を入れて握手をしないと自信がないように誤解される。
・日本の伝統文化をもっと学んで欲しい。
日本人は海外では自国の文化を一番理解していない国民である。
・相手を褒める努力をすべし。
たとえば女性が素敵な服を着ていたら、今日の服は素敵ですねと素直に表現すべし。
ただし「今日は合コンですか？」というような余計なコメントはしない。
・自己主張をもっとする。日本人は国際会議でほとんど発言しない。
海外では発言しない人は出席していないも同然。
・お金儲けをすることを悪だと決めつけない。
資本主義ではお金を儲けることが当たり前。
・フランス人若者が今一番住みたい海外の都市は東京である。
東京は今世界で最もクールな都市である。
・日本の教育制度は全くダメ。
正解がない時代に正解を追い求める丸バツテストをしていることがその典型。
フランスの大学のテストは、知識を問うのではなく、
知識を頭で整理して自分なりの切り口で主張する論文のみ。
・英語力（これはこれ以上は説明しません）
我々日本人にとっては頭の痛い話ばかりですが、
いくつか私なりの考察をしてみましょう。
握手の仕方は慣れの問題なので、それほど気にする必要はありません。
日本人同士でも握手をするようにすれば、すぐできるようになります。
相手を褒めることは、
フランスでもアメリカでもまたアジアでも大変有効なので、
「おべんちゃらなんて言うのはイヤだ」などと思わずに
是非実行しましょう。
これは人間の心理からくるもので、世界で通用するスキルです。
つまり人間は、
自分に好意を持ってくれる人を好きになる
という傾向があります。
褒められて嫌な気分になる人はいないということです。
このあたりの理論を本格的に勉強したい方は、
チャルディー二著
を是非読んでみてください。
本の「好意」という章が、これにあたります。
一方、フランス人にとって
東京が世界で最もクールな都市であるというのは驚きでした。
世界の文化を先取りするフランス人に人気であることは
誇りに思ってもよいでしょう。
注意したいのは、
企業はインバウンドビジネス（日本国内での消費）にばかりに
目が行きがちですが、旅行者は必ず帰国するということです。
つまり帰国した旅行者が
日本製品、サービスのファンになる可能性が高い
ということです。
ビジネスにおいては、
まずコアなファンを作ることが重要ですから
インバウンド客相手にお土産を売る程度の浅い考えではなく、
帰国後は通販でフォローする体制を作る
などの工夫が欲しいところです。
海外進出する企業にとっても、
インバウンドビジネスはビジネスのヒントが満載です。
例えば消費財を海外に売りたい方は、
原宿の竹下通りに行ってみてください。
目の前で世界の消費者の消費行動が確認できます。
しかも無料で。
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