ピーク時の三分の一に業界が縮小! 投資が先か販売が先か
カテゴリ:海外進出のお役立ちヒント
実は私は、体質的にアルコールはあまり飲めないのですが、
飲み会の雰囲気は好きですし、
やはり懇親会の方が、参加者の人柄や本音が出やすいので
セミナーなど懇親会の類いには出席するようにしています。
お酒はそれほど飲めませんが、
上質な日本酒の口当たりの良さ、芳醇な香りは好きです。
なぜいきなりお酒の話をしたかと申しますと、
日本酒の海外輸出をプロモートするプロジェクトを
友人と立ちあげようとしているからです。
日本の酒蔵は現在苦境に瀕しており、
日本全国の酒蔵さんを支援したいとの思いからです。
日本の酒蔵メーカーは、
全国に1500ほどあり、その数は年々激減しています。
その数は、ピーク時の三分の一になっています。
零細企業が大半で、
月桂冠など大手メーカーが寡占する市場になっています。
見にくいと思いますが、
下記チャートは日本の酒類生産量の推移を表し、
濃い青が酒類に占める日本酒のシェアです。
酒類全体の生産量も年々減少し、
日本酒のシェアも年々低下していることがわかります。
ビール(オレンジ)ですらシェア、生産量とも減少しています。
今の若者はアルコールを飲まなくなってきていますからね。
日本酒業界の問題としては、
杜氏高齢化、米そのものの生産量も減少しているので、
酒造用の米の調達が難しくなっていることなどが挙げられ
業界全体には強い逆風が吹いています。
このような業界ですが、
海外市場に目を向けるとチャンスは転がっています。
今は世界的に日本食ブームですから、
その流れに乗り、日本酒の輸出は増えています。
Japanese sake (外国人は”サケ”ではなく”サキ”と発音します)
は、欧米人を中心に外国人にも好評です。
一方、零細企業が大半な業界だけに、障害も多くあります。
多くの酒蔵メーカーが
販売可能な量しか生産していないために、
販売見込みをベースとした生産計画を立てることができないのです。
しかし私は海外向けにマーケティングをする時、
「拡販できるのであれば生産量を増やす」
という考えでは拡販が難しいと考えています。
酒蔵と言えども、ビジネスの世界では立派なメーカーですから、
一定のリスクをとり、販売が確定していなくても
見込み生産の投資を行わないと、鶏と卵のジレンマに陥ります。
販売が先か投資が先かという問題です。
ビジネスにおいては投資を先行しないと、
成功は期待できない、というのが私の考えです。
もちろん闇雲に投資することはリスクが高いですから、
事前に海外の市場調査を行い、
精度の高い予算を組んでこのジレンマを解消することも必要です。
このような戦略に
どこまで酒蔵が理解を示してくれるかが、
今回のプロジェクトの成功の鍵を握ると思っております。
皆さんはビジネスを拡大する時、投資を先行しますか?
それとも売れるまで待ちますか?
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