海外ビジネスにおける商談 その1
カテゴリ:海外展示会 海外進出のお役立ちヒント
当社は、JETROからアセアン地域の専門家として任命を受けていたこともあり、
海外展示会の視察、あるいはお客様の海外展示会出展のご支援のお仕事を多く承ります。
海外展示会では、通訳を使うケースも多いと思います。
その企業担当者がたとえ英語ができても、
例えば東南アジアなどでは、
現地の言葉を話すことができる通訳の手配は必須でしょう。
アメリカでの展示会では、英語の通訳を使うケースもあるかもしれません。
そして展示者のなかには、
通訳がいるから言葉は大丈夫
と安心してしまう方もいらっしゃいますが、
これが大きな落とし穴になります。
まず通訳の質が必ずしもよいとは限らない、
というリスクがあります。
現地に行って、初めてその通訳と会う、
というケースもあるでしょう。
たまたま能力の高い通訳に当たればいいのですが、
そうでないケースもあるので要注意です。
できれば事前にスカイプで話すなどして、
能力、経験などを確認しておいたほうがいいです。
なじみの通訳がいれば、その通訳を使い続けることをお薦めします。
仮に能力の高い通訳に巡り会っても、次の問題は、その通訳は
「みなさんの商品、サービスのことを全く知らない」
ということです。
日本語でも、初めて出会った会社のことを理解するのは
結構難しいですから、
ましてやそれを外国人の通訳に説明するのです。
相当心して取り掛からないといけないはずなんですが、
展示会などの商談当日も、何の準備もせず、
いきなり通訳を交えての商談が始まってしまう
というケースがよくあります。
これ、絶対うまくいきません。
商談が開始する前に、通訳さんには会社の製品、
サービスについて、徹底的に教えるようにしてください。
英語商談ならまだしも、例えばインドネシア語での商談などでは、
通訳に会社の運命を預けるようなものです。
通訳の教育がきちんとできていないと、
通訳がどんな説明をするのか、冷や冷やものです。
また、できればオープニングの会話用の
トークスクリプトを用意して、
商談のオープニングはこういう風に話してください、
と予め通訳に指示をだすのもいいと思います。
というのは、展示会では、展示者がプロセスをうまくコントロールしないと、
訪問者は好きな質問をどんどんしてきます。
典型的には「この商品の価格はいくらだ?」というような質問です。
価格は重要な要素ですから、話す場面は必ずでてくるのですが、
こんな質問を商談の冒頭からされたくないですよね?
最初は、自社の簡単なプロフィール説明、自社の強み、
製品の特徴、商談の目的などを明確に説明した上で、
「ではお話を始めましょう!」
というような感じで商談をスタートしたいものです。
このオープニングの部分は、通訳を予め教育することにより解決できます。
実際に、訪問者になりかわり、通訳さんに質問をしてみて、
どのように答えるのかリハーサルを行うのもいいと思います。
海外ビジネスの商談では、
「なるべくお客様に話をしてもらう」
方が、うまくいくという鉄則があります。
特に複雑で高額な商品・サービスの場合はその傾向が顕著です。
従って、ウェッブを使って販売できるような、
比較的単価が安い情報商材などの商品と、
機械、設備、コンピューターシステムといった高価で複雑な商品では、
その売り方(商談の進め方)が全く変わってきます。
後者においては、お客様(商談相手)への質問が、
非常に重要な役割を演じます。
基本的にこちらからは売り込みをせず、
質問する商談の方がうまくいくといわれております。
質問も
状況の確認を行う質問、
問題を聞く質問、
その問題が生み出す課題を尋ねる質問、
といったようにいくつかにわけて行うのが大変効果的です。
今回は、通訳の効果的な使い方の話が中心になってしまいましたが、
次回は海外ビジネスの商談における「質問のコツ」についてお話したいと思います。
日本でも十分の通用するやりかたです。楽しみにしていてください。
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社長ブログも書いています
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